鬼子母神

鬼子母神は、毘沙門天の部下のパンチーカの妻で、500人とも1000人ともいわれる子だくさんの母親でしたが、多くの子どもを育てるために、他人の子どもを食べて栄養を得ていた恐ろしい存在でした。
これを見かねたお釈迦さまは、鬼子母神が最も愛していた末子を隠すことにしました。
そこで鬼子母神は、狂乱し7日間探し回りましたが、見つけることはできず、お釈迦様に頼りました。
お釈迦さまは、「多くの子どもを持つ鬼子母神が一人を失っただけで悲しむのだから、自分の子どもを失った親の悲しみは計り知れない」と諭し、鬼子母神は改心し、戒を守り、仏を敬うようになった。

そうして、鬼子母神は仏教の守護神となった。法華経において鬼子母神は、十羅刹女と共に法華信仰者の擁護と法華経の弘通を妨げる者を処罰することを誓っていることから日蓮宗においては、祈祷本尊として大切に祀られている。
圓隆寺の鬼子母神像は、鬼の顔をした鬼子母神で、江戸末期製作の尊像です。近年では17世と20世が荒行堂にて修行をしていることから、修行の際には、この尊像を守り神として勧請している。